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TOSA-WASHI
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TOSA-WASHI

 

四国の伝統的な地場産品として知られる「土佐和紙」。私たちは、その伝統の今を知りたくて2018年2月に高知県吾川郡いの町を訪れました。
東京でのクリエイター仲間のひとり、カメラマンの知人である鹿敷製紙(株)代表取締役の濱田博正さんにお会いするためです。
鹿敷製紙さんは、文化財補修用特薄土佐和紙で高知県第7回地場産業 奨励賞を受賞された国産100%にこだわった原料を手漉き和紙と同じように処理し、和紙を作っていらっしゃるとのこと。土佐和紙の製造方法をいろいろ教えて頂きました。また写真撮影に関しては、ご友人でもある尾崎製紙所の片岡あかりさんをご紹介いただきました。
尾崎製紙所は、いの町から更に仁淀川の上流にある仁淀川町で、伝統の製法にいろいろアイデアを加えて、全国の書家や世界の工芸作家が使用する土佐清帳紙を中心に漉き続けていらっしゃるということでした。片岡あかりさんの御祖父の尾崎 茂さんは土佐清帳紙づくりで労働大臣賞を受賞された名工です。
その伝統を現在引き継がれたのが、片岡あかりさん。黒森山の中腹に位置する尾崎製紙所は、海抜およそ300mにあります。そこでは、日本一清らかな仁淀川に流れ込む水の力も使い、三椏や楮から最良の原料を創りだし幾重もの工程も全て家族で重ねながら土佐和紙を漉き、乾かしこだわりの土佐和紙を生み出しています。
最近では、フランスのルーブル美術館より数名の関係者の方々が土佐和紙の製作を見学に来られるなど、紙漉きは海外でも注目されています。
我々は四国に向かう前に、高知新聞社出版の「土佐和紙の里(とさわがみのさと)」を拝読致しました。そこには1990年代の「尾崎製紙所」を和田徳恵著者が、苦労して撮影された様子が描かれており、まだ幼かったあかりさんや、お父様の尾崎孝次郎氏の姿がありました。この本から溢れ出る「尾崎製紙所」のこだわりと想いを感じ、学び、現地を訪れました。そこには本ではモノクロで語られていた世界がフルカラーの大自然の中に今も太陽の下で伝統と想いを継承するご家族がおられました。高揚した気持ちを抑えながら、シャッターを切ったカメラマンの画をここに私たちも残します。

 



田晒し Tasarashi

 

 



漉く Suku

伝統と未来を繋ぐ。

 

 





漉く・水より Suku/Mizuyori

 

 


干す To dry

自然と文化を育む。

 

 




干す・張る To dry / To stretch

土佐と世界を結ぶ。

 

 



三椏 Mitsumata

 

 

土佐の紙漉きの歴史は古く、今から1000年以上前に遡ります。やがて鎌倉時代にはすでに高度な製紙技術がこの地方にあったと推察されています。
「土佐紙」は全国各地で生産される和紙の中でも、典具帖紙は、強靱で美しい紙として国内外で高く評価されています。その原料は、楮、三椏、がんぴといった植物です。土佐楮は他の産地に比べ、繊維が長いことが特徴だそうです。そして、今回伺った仁淀川町には他では得難い清冽な水と澄み切った空気、手つかずの豊かな自然の恵みがあります。
しかし、そんな素晴らしい環境の中にあっても、それらの植物は減り続けているそうです。その理由はこうです。戦後国策として植えられた杉や檜は、その後需要の低下などから手入れもされぬまま放置され、鬱蒼と生い茂り、環境破壊や花粉の大量発生の元となっています。一方、以前は植林した樹木が育つまでの間栽培されていた楮や三椏も生業として成り立たなくなり、また生産者の高齢化などにより、刈り取られることなく放置されていったのです。
鹿敷製紙の濱田代表とのお話しの中で、偶然お会いした現在、高知大学の教授である田中先生もこのような状況を危惧されていました。かつて高知には、赤楮、青楮、要楮、高構、黒構という五品種の楮がありました。当時いたるところで栽培されていた楮は、人々の高齢化により刈り取られることもなく放置されがちになったそうです。そんな現代の環境の中でも、伝統とこだわりを守るだけでなく新たな土佐和紙との取り組みを開発、思案されている土佐和紙製造に関わる土佐のクリエイター達に心から感銘を受けました。